ハリー・ボッシュ
2023年10月26日
正義の弧 by マイクル・コナリー
モラルの領域の弧は長いが、それは正義の方に曲がる。by キング牧師
ライフスタイルがすっかり変わったレネイ・バラード、被曝から死を覚悟しているハリー・ボッシュ。未解決事件の犯人を追い詰める捜査場面は緊張感があってよかった。
でもな、身内が犯人てのは覚えてるだけで過去3作品あるよな、犯人を追い詰めてその犯人が死んじゃうケースも多いよな。
でもシリーズ最高傑作というのも納得の面白さだった。
未解決事件班の責任者になったバラードはボッシュをチームに引き入れる。優先すべきは約三十年前の女子校生殺人事件だったが、ボッシュは夫婦と子ども二人が砂漠に埋められた一家殺害事件に没頭して言うことを聞かない。班員には事物に触れて見えない事情を感じるという共感能力者もいてバラードを困らせる。
ボッシュが見つけた糸口から女子校生殺しの容疑者が浮上する。
バラードたちはDNAを採取するための罠を仕掛けたが、事態は思わぬ展開を見せる。
さらにボッシュは一家殺害犯の正体に迫り、潜伏先へと単身乗り込んでいく。
彼を狩りへと突き動かすものはあまりに激しく、正義を為すための道は、暗く険しい──。
2023年10月24日
2023年03月09日
ダーク・アワーズ by マイクル・コナリー
議会襲撃、パンデミック、ブラック・ライヴズ・マター、警察の士気低下
レネイ・バラードの生活環境も変化が、ビーチからマンション住まい、愛犬ローラとの死別。
警察も辞めちゃおうかなと思い始めている。
ブラック・ライヴズ・マター運動がロス市警にも逆風となった2020年。深夜勤務刑事のバラードは二人組のレイプ犯(ミッドナイト・メン)を追って大晦日の警戒態勢に入っていた。年越しの瞬間に銃による殺人事件が発生し、薬莢から10年前の未解決事件で同じ銃が使われていることが判明する。その担当は現役時代のボッシュだった。
ボッシュは完全に脇役だったね。
マディがポリス・アカデミーに入っているところを考えると今後レネイとの絡みとかあるかもな。
ボッシュの被曝の影響はどうなるのか、もしかしたら・・・
2022年12月10日
潔白の法則 by マイクル・コナリー リンカーン弁護士危機一髪
刑事弁護士ミッキー・ハラーが殺人容疑で逮捕された。被害者の射殺体はハラーの車のトランクにあり、銃弾が彼の自宅ガレージで見つかったのだ。収監されたハラーは、自分自身を弁護する本人訴訟に臨む。彼を救うため異母兄ハリー・ボッシュや元妻たちが集結。
法廷で有罪かそうでないかは証明されるけれども、無罪であることの証明はされない。
潔白の法則、有罪ではない無罪(=潔白)を証明することは法廷で真犯人を見つけ出すこと。
なんとなくスッキリしないオチだったな。
検察官のダナがなぜあんなにミッキーが有罪と確信してたのか疑問?、凶器の拳銃もないし、動機となる未払い弁護料と言い証拠が少なすぎる。
真相の調査も核心に近づけなかったし、FBIの捜査という大義でぼかされた感じだった。
2022年08月27日
鬼火 by マイクル・コナリー The Night Fire
ハリー・ボッシュが新人の殺人事件担当刑事だったころ、パートナーを組んで、殺人事件に関する取り組み方を一から教えてくれた恩師に当たったジョン・ジャック・トンプスン元刑事が死去。
ボッシュが葬儀に参列したところ、未亡人から夫が自宅に残っていた一冊の殺人事件調書を託される。20年まえに(2000年1月)ロス市警を引退したトンプスンは、その調書を市警から持ち去り自宅に保管していた。
その事件とは、1990年に起こった元服役囚で麻薬中毒者の白人男性ジョン・ヒルトン(24歳)がハリウッドの路地で後頭部を撃たれて亡くなった未解決事件だった。
恩師の執着していた未解決事件を解決すべく、ボッシュはバラードに協力を求めた。
モンゴメリー判事が日中に裁判所近くの公園で刺殺され、現場に残されたDNAが一致したことでジェフリー・ハーシュタットが裁判にかけられていた。ハーシュタットは自供もしており、有罪必至。ミッキー・ハラーはボッシュに調査を依頼する。
一方、バラードは、ホームレス男性の焼死事件の現場に出向いていた。テントに暮らしていたエディことエディスン・バンクス・ジュニアが、大量のアルコールを摂取して寝ているうちに、うっかり石油ヒーターを倒して、その火が現れ、焼死した模様だった。
魅力的な女殺し屋との最後の緊迫したラストと言い、盛りだくさんの事件あり、しかも破綻もない。面白かった。
比較的最近読んだはずだけど、トンプソンの事件調書の謎については忘れてた。
2022年08月14日
2022年08月04日
汚名 by マイクル・コナリー Two Kinds of Truth
昨日、今日か、1時か2時頃ものすごい雨で目が覚めたね、その後眠れず・・・
Two Kinds of Truth
この世には二種類の真実がある、とボッシュは知っていた。人の人生と使命の変わらぬ基盤となる真実。そしてもうひとつは、政治屋やペテン師、悪徳弁護士とその依頼人たちが、目の前にある目的に合うように曲げたり型にはめたりしている可塑性のある真実だ。
・・・P202
SFPD(サンフェルナンド市警)の予備刑事(reserve officer)として、自発的に未解決事件捜査にあたっているハリー・ボッシュのもとを、昔のパートナーだったロス市警本部強盗殺人課未解決事件班刑事のルシア・ソトが現在パートナーを組んでいるボブ・タプスコットとロス検事局のアレックス・ケネディ検事補とともに訪れ、ボッシュが三十年ほど前に逮捕し、現在も死刑囚として服役中の連続殺人犯プレストン・ボーダーズに関して、あらたな証拠が出たとして、再審がひらかれる見込みだと聞かされる。
一方、サンフェルナンド市警の管轄で、薬局を経営する父親と息子が薬局内で銃殺されるという事件が発生し、小規模共同体の警察としては、手が足りず、ボッシュも捜査に狩りだされ、潜入捜査に入る。
盛りだくさんの作品で、次の作品への伏線もある。傑作!
Two Kinds of Truth
この世には二種類の真実がある、とボッシュは知っていた。人の人生と使命の変わらぬ基盤となる真実。そしてもうひとつは、政治屋やペテン師、悪徳弁護士とその依頼人たちが、目の前にある目的に合うように曲げたり型にはめたりしている可塑性のある真実だ。
・・・P202
SFPD(サンフェルナンド市警)の予備刑事(reserve officer)として、自発的に未解決事件捜査にあたっているハリー・ボッシュのもとを、昔のパートナーだったロス市警本部強盗殺人課未解決事件班刑事のルシア・ソトが現在パートナーを組んでいるボブ・タプスコットとロス検事局のアレックス・ケネディ検事補とともに訪れ、ボッシュが三十年ほど前に逮捕し、現在も死刑囚として服役中の連続殺人犯プレストン・ボーダーズに関して、あらたな証拠が出たとして、再審がひらかれる見込みだと聞かされる。
一方、サンフェルナンド市警の管轄で、薬局を経営する父親と息子が薬局内で銃殺されるという事件が発生し、小規模共同体の警察としては、手が足りず、ボッシュも捜査に狩りだされ、潜入捜査に入る。
盛りだくさんの作品で、次の作品への伏線もある。傑作!
2022年06月18日
訣別 by マイクル・コナリー The Wrong side of goodbye ボッシュ・レガシー
ボッシュは、ロス市警時代の旧知の知人が本部長を務めるロス北郊の小さな自治体サンフェルナンド市(人口二万人強)の市警察に誘われ、無給の嘱託刑事として勤務するようになっていた。
一方で私立探偵免許をあらたに取り直していた。
ある日、元ロス市警副本部長で、現在はセキュリティ会社トライデント・セキュリティの重役になっているクライトンに呼び出され、トライデント社の顧客の大企業のオーナーである富豪、ホイットニー・ヴァンスが、ボッシュを名指しで依頼したいことがあると言っていると告げられる。
依頼内容は、ボッシュにのみヴァンス本人から伝えるとのこと。
ヴァンスに会いにいくと、高齢と疾病のため、老い先短いことを悟った老人から、大学生の頃知り合い、妊娠させながらも、親に仲を裂かれたメキシコ人の恋人を、あるいはもしその子どもがいれば、探してほしいと頼まれる。
ヴァンスは未婚で、ほかに子孫はおらず、彼が亡くなれば莫大な財産の行方が気になるところで、もし血縁者がいれば、会社の将来を左右する事態になるかもしれず、そのため、会社側の利益を優先させる行動に出る重役たちがいることが予想されるため、調査はくれぐれも極秘で行い調査に関する報告は、かならずヴァンス自身にすることを念押しされる。
子孫探しの調査でたどりつく事実、ベトナム戦争での自分の過去を重ね調査にのめり込む姿は感動的であり、一方では同僚の女性刑事誘拐事件解決の緊迫感あるアクションにハラハラドキドキ(^^)。
ハリー・ボッシュ読むなら順番にとカイチさんに勧めたけど、ボッシュ・レガシー見たばかりだったらこの「訣別」を読むのを勧めたいな。ドラマの感動がさらに深まること絶対!
2022年06月02日
贖罪の街 by マイクル・コナリー The Crossing
ボッシュはDROP(定年延長選択制度)の任期半ばでのロス市警退職を余儀なくされ、異母弟のミッキー・ハラーを代理人に立て、ロス市警への異議申立ての訴訟をおこなっていた。
それ以外は、引退後の念願だった、古いバイクのレストアを楽しんでいた。
そんなおり、ハラーから交通事故で怪我をしたシスコに替わり殺人事件弁護の調査員を頼まれる。
2015年2月に自宅で強姦の上、撲殺された市政担当官補レキシー・パークス(三十八歳)。
被害者の体に残された精液(膣内と体表から回収)のDNAが合致したため、事件翌月、容疑者として逮捕されたのは、ハラーの古くからの顧客であり、元はギャングの一員だったが、更生して画家として生計を立てているダカン・フォスター(四十一歳)。
ハラーは、フォスターの無実を確信しており、ボッシュに事件調査の協力を求めるが、刑事弁護士に協力するのは、警察官仲間には裏切り行為と見られることから協力を渋っていたボッシュ。
だが、事件の詳細を知るにつれ、興味を抱き、ハラーの陣営に加わる。
おやおやまたまた予感、内務監査課ナンシー・メンデルホーン再び登場。
またまたピンチを救われたね。
2022年05月25日
燃える部屋 by マイクル・コナリー ルシア・ソト登場
2014年、定年延長制度の最後の年をロス市警本部強盗殺人課未解決事件班で迎えようとしているボッシュは、あらたな相棒として、若き新米女性刑事ルシア・ソト(28歳)と組むことになった。
ソトはメキシコ系アメリカ人で、四人の武装強盗と対峙して二人を撃ち倒した事件で有名になり、刑事に昇進し、未解決事件班に配属された。
意欲と向上心にあふれたソトを優秀な刑事になるとボッシュは見こんで、育てようとする。
今回、ふたりが担当するのは、十年まえに銃撃され、体に残った銃弾による後遺症で亡くなったばかりの元マリアッチ・ギタリスト、オルランド・メルセドの事件。
ソトが子供の頃に起きた火災事故で多くの子どもが死亡した。
ソト自身もそのアパートに住んでいたことから昔に起きたその事件をこっそり調べていた。自分に関わる事件を個人的に調べたことがあるボッシュは協力を申し出る。
二つの未解決事件の解決の目処がつき書類仕事を仕上げていた時、ほんの些細なことを理由にボッシュは停職処分となり署を去ることになった。
なってこった!